EDFの活動

EDFは、地域社会や市民団体、学術関係者、および漁業・環境・エネルギーに関わる政府関係者に対し、技術的助言や知見の共有、協力支援を通じた活動を行っています。

持続可能な漁業を目指して

歴史的に日本人が多く生産し、消費してきた水産物が、今、枯渇の危機に瀕し、水産資源に依存する産業が低迷していることを多くの人々に知ってもらい、その問題を解消することで、日本人のみならず世界中の人々の持続可能な食生活、地域社会の発展、そして地球環境の保全に貢献したいと考えています。

EDFでは、世界に誇る優れた魚食文化を持つ日本での水産物の持続性確保は、世界の国々における海洋資源の保全における先駆けとなるものだと考えています。また、世界を視野に入れたとき、アジア太平洋諸国における海洋資源の保全は喫緊の課題であり、アジアの経済大国として日本の役割は大きいと考えます。上記を踏まえて、EDFは米国を中心とする海外事例を関係者各位に提供し、日本における持続可能な漁業の実現に貢献していきます。

日本における展開

日本は2018年12月に、70年ぶりの大規模な漁業改革となる歴史的な改正漁業法を成立させました。以来、意思決定者と政策立案者は、食料生産を強化し、地域と国をより繁栄させ、海洋生態系を再構築する、持続可能で成長性のある国内水産業を実現するための改革パッケージの遂行に取り組んでいます

改正漁業法が成立して以来EDFは、日本が求める長期的な成果を確保するために、この画期的な法律を実行に移す方策について、関連団体、業界関係者、学界、政府のリーダーと緊密に協力してきました。

EDFジャパンは、政府によるルールづくりを支援し、改革に対する国民の支持を高め、漁業改革に関係する業界団体の教育を支援し、日本が近海漁業を管理するためのソリューションを設計します。これらの戦略を念頭に、私たちは日本が持続可能な漁業管理に近づき、漁業の健全性を回復し、全国の漁業コミュニティと経済を強化することを支援しています。

2020年初頭からCOVID-19は世界を劇的に変化させましたが、私たちはそのような変化や課題の中でも、計画や活動を適応させ、日本政府による漁業改革を後押しています。

改正漁業法を支援する上で、EDFジャパンが重点的に取り組んでいる分野は以下の通りです。

  • 参加型管理について国際的なベスト・プラクティスの提供
  • 資源評価、法令遵守、漁業者の利益に資する技術の導入を後押しするアイデアの提供
  • 漁業データシステムの近代化

私たちが目指すのは、歴史的な改正漁業法を確実に社会へ実装させることに加えて、日本特有の漁業実態に合った最先端の科学と政策によって導き出される解決方策をさらに進化させることにより、日本が気候変動に強い漁業管理のリーダーとなることです。

日本が持続可能な順応的管理のモデルとなり、他の国々が自国の漁業の管理改革を進めるきっかけとなるよう、EDFはこれからも日本を応援していきます。