エネルギー転換の加速
エネルギーは、安全かつaffordableであり、信頼できるものである必要がありますが、気候に悪影響を及ぼすものであってはなりません。持続可能で公平なエネルギーシステムに移行するには、レガシーエネルギー資源に起因する温室効果ガスの排出を大幅に削減する取り組みとともに、新たな形態のクリーンな燃料が必要になります。
メタンガス排出削減の緊急性
メタンガス排出削減は、地球温暖化を抑制するための最も迅速で最も手頃な手法として注目を浴びています。天然ガスの主成分であるメタンは強力な短期温室効果ガスであり、世界的にみて、石油・天然ガス産業はその主たる排出源です。また、排出されたメタンガスはエネルギー資源の無駄遣いであるため、漏洩などを減らすことでエネルギー供給力を高めることができます。石油・天然ガスの生産者、売り手、買い手は、この課題に取り組む上で重要な役割を担っています。
なお、天然ガス(LNG)は、ゼロ・エミッションに移行する過程においても、向こう数年間は日本の経済成長とエネルギー安全保障の両面において重要な役割を果たします。メタンの排出削減は、日本の脱炭素化の取り組みに不可欠であると言えます。日本は、世界最大のLNG消費国の1つであり、メタン排出量が多いオーストラリア、マレーシア、カタール、米国、インドネシアなどの天然ガス業界の排出量削減を支援する大きな力になることが期待されています。実際、日本は、「Global Methane Pledge」及び「Joint Declaration from Energy Importers and Exporters on Reducing Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuels」に署名しており、リーダーシップを発揮してきています。
日本におけるEDFのエネルギー転換関連事業
EDFは、メタン科学の専門家として認められており、その画期的な一連の研究は、気候安定化におけるメタン削減の意義の確立、石油・天然ガス産業に対する注目の高まりに貢献しました。EDFは、米国でスタートさせた科学的な研究とソリューション提案に関する取組みを、メキシコ、カナダ、欧州、さらには東アジアに拡大させており、石油・天然ガスの生産者、消費者の双方と協力する体制を構築しつつあります。
また、国際的なパートナーシップを主導して、メタンガス検知衛星プロジェクトであるMethaneSATを立ち上げました。同プロジェクトによって地球のほぼ全域におけるメタン排出が過去に例をみない精度で測定、追跡され、高品質のデータが政府機関、民間企業、研究者などに広く提供されることになります。
そうした中、日本では、EDFジャパンが主要なステークホルダーと緊密に協力して、アジア地域のメタン排出の削減、日本の経済成長とエネルギー安全保障強化を支援していきます。EDFジャパンが注目する日本の課題をやや詳細にみると、以下のようになります。また、石油・天然ガスにおけるメタン排出削減のためにアジア太平洋諸国が果たすことができる役割に関するEDFの取組みの詳細については、こちらをご覧ください。
メタン基準作り
LNGサプライヤーとの協力による、排出量の測定と報告、漏出の検出と修理の要請、及び、フレアリング排除戦略の奨励と実行。
効果的な認証
メタン削減を信頼に足るものとすべく、認定された低メタン強度の天然ガスの調達の優先。
輸入業者と輸出業者のコラボレーション
全ての輸入国のネットゼロ目標を達成するための輸入・輸出国間、企業間の協力の促進。
技術的リーダーシップの共有
技術的なリーダーシップを活用した、日本による新興国の脱炭素支援(技術と資金調達)。
なお、EDFジャパンでは、今後、日本において、水素、アンモニアを含む代替エネルギーに関する課題や導入ポテンシャルなどについて、EDFの科学者チーム、日本国内のステークホルダーと協力しつつ、研究を続けるとともに、長期的な視野に立ってソリューションの提供に努めて行きます。