目次
1.概要
日本と米国の水産分野の科学者、管理者、漁業関係者によるオンライン・シンポジウム『第2回日米データシンポジウム』が2022年6月 28日と29日(米国時間の27、28日)の2日にわたり、環境保護基金(Environmental Defense Fund: EDF)によって開催されました。このシンポジウムの主な目的は、収益性が高く持続可能で、気候変動に強い漁業の実現に向けたデータ収集の強化方策を議論し、日米で培ってきた教訓を共有し、国境を越えて漁業関係者の連携を促す架け橋を構築することでした。
連日約80名がシンポジウムに参加し、のべ人数は100名を超えました。国立研究開発法人 水産研究・教育機構(水研機構)が共催し、シーフードレガシー、ウミトパートナーズ、UMINEKOサステナビリティ研究所など、日本のNGOパートナーからも支援と協力を得ました。
2. テーマ
国境を越え、漁業関係者間の架け橋となる:収益性が高く、持続可能で、気候変動に強い漁業に向けたデータ収集の強化
3. 目標
- 科学者、管理者、漁業者に利益をもたらす統合的なデータ収集システムの展開について、利害関係者間の賛同を得る。例えば、資源評価、管理・コンプライアンス、データ駆動型漁業の強化などが挙げられる。
- 日本の漁業者、科学者、管理者の間の信頼関係を深める。
- 日本での議論に役立つよう、米国での教訓やベスト・プラクティスを共有する。
- 将来的な米国との交流の足がかりとして、米国と日本の漁業者、管理者、科学者のつながりを構築する。
4. 講演プログラム
1日目テーマ
長期的な持続可能性と収益性のためには、海洋環境の変化に真摯に取り組む必要性があり、漁業と生態系データの向上が不可欠
開会のあいさつ
- シェムズ ジュッド, EDFジャパン海洋・漁業プログラムディレクター
基調講演
21世紀のデータシステムはいかにして持続可能な漁業の繁栄と気候変動への回復力を促進するか
- 神谷崇, 水産庁,
『海洋環境と資源状態の準リアルタイム把握の必要性』 [PDF, 1.2MB] - バリー トム, 太平洋合衆国海洋漁業委員会,
『変化する世界において持続可能で収益性の高い漁業を支援するためのデータと情報』 [PDF, 710KB]
テーマ1-1: 日米の既存のデータ収集システム、費用、ギャップ、改善の機会・計画
- 上原伸二, 水産研究・教育機構 水産資源研究所 企画調整部門,
『日本におけるデータ収集の現状と課題』 [PDF, 3.6MB] - クリスティン コッホ, 米国海洋漁業局(NMFS: 別名NOAA Fisheries)南西漁業科学センター,
『米国の漁業データ収集― その対象・方法・コスト』 [PDF, 3.4MB]
テーマ1-2: データの課題と機会 - 資源評価、データ統合、モニタリングとコンプライアンス、異常気象をより良く予測する
- 和田時夫, 漁業情報サービスセンター(JAFIC)
『日本における漁獲データの一元的収集と効果的な資源管理への展開』 [PDF, 1.1MB] - 中野渡拓也, 水産研究・教育機構 水産資源研究所 海洋環境部
『漁業者による自主的な海洋モニタリングとデータ取得プロジェクト』 [PDF, 7.0MB] - クリストファー キューザック, EDF海洋テクノロジー・ソリューション
『資源評価、監視、確実な実施のための新技術』 [PDF, 3.9MB] - 広瀬直毅,九州大学 応用力学研究所 (RIAM)
『漁船観測データを同化した沿岸海況予報』 [PDF, 7.2MB]
1日目のまとめ
- 宮原正典, 農林水産省顧問
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2日目テーマ:漁業の収益性と業績向上のためのパートナーシップ
開会のあいさつ
- 宮原正典, 農林水産省顧問
テーマ2-1: 漁業データ収集の視点 -利点、課題、その他の考察についての発表
- ボブ ドゥーリー, 漁師ならびに太平洋漁業管理評議会議員
『共同研究によるデータ収集と収集過程への参加視点』 - ジョセフ サリバン, サリバン法律事務所
『データの入手と機密性- 利用を最大化させリスクを最小化に抑える方法とは?』
テーマ2-2: 利用可能な技術やデータシステムの改善と漁業者及び産業界への潜在的利益- トレーサビリティと市場、より効率的で気候情報に基づいた漁業など
- マーティン アロステギ, ウッズホール海洋研究所 生物学部門
『亜寒帯環流における高気圧性(アンチサイクロン)渦による外洋捕食魚の集合現象』 [PDF, 5.0MB] - 水上陽介, オーシャンソリューションテクノロジー株式会社
『海洋立国日本の復活に向けた水産DXにおける社会実装の課題と取り組みについて』 [PDF, 5.7MB] - 渡邉彰, アイエックス・ナレッジ株式会社
『東京湾トレーサビリティ・プロジェクト “江戸前フィッシュパスポートフェア” ご紹介』 [PDF, 4.7MB] - 田中元, 笹川平和財団 海洋政策研究所
『トレーサビリティ情報に対する我が国の消費者の潜在的需要―江戸前フィッシュパスポートに注目して―』 [PDF, 2.1MB]
閉会のあいさつ
- 中山一郎, 水産研究・教育機構