EDF漁業法等の一部を改正する等の法律案の成立を歓迎

~日本における持続可能な漁業に向けた重要な第一歩~

2018-12-07

非営利の環境シンクタンクであるEDF( Environmental Defense Fund )は、本日、約70年ぶりの漁業制度の抜本見直しとなる漁業法等の一部を改正する等の法律案が成立したことを歓迎し、安倍総理を筆頭に、同法案の成立に関わられた日本政府および国会議員の方々の信念とご尽力に敬意を表します。

EDF海洋部門シニア・バイスプレジデントのケイティ・マックギンティは次のように述べています。

このたびの法案成立は、水産業を長期的な視点に立って管理する時代への転換を象徴する、世界が注目すべき偉業です。新制度に基づく日本の漁業管理は、アジア太平洋地域の水産業を先導し、サステナビリティ新時代の先駆けとなるでしょう。

今回の改革が持続可能な水産資源の確保に向けた大きな前進であることに間違いはありません。また同時に、安倍政権が目指す活力ある漁村・水産業を実現するためには、今後の継続努力が重要です。

同法案の成立に尽力された国会議員の方々、および安倍政権に敬意を表するとともに、EDFは今後も改正法案が最も効果的な方法で実施されるよう、関係者の方々と連携していく所存です。

EDFは、1年以上にわたり、日本政府や水産専門家、およびその他の関係者に対して、EDFが有する科学あるいは政策上の知見に基づき、改革の準備を支援してきました。

同法案の目標は、日本の経済、文化、食生活の中心にあり、世界中の流通市場に影響を及ぼす日本の水産資源を長期的に確保することにあります。その中で、EDFは同法案に含まる下記の要素を高く評価します。

  • 資源評価の対象魚種を有用資源全体にまで拡大
  • 漁獲可能量(TAC)を設定する魚種を大幅に増加
  • 乱獲状態の水産資源を10年以内に回復させる計画の策定
  • 限定された譲渡性のある個別割当制度(IQ)の導入

EDFは、同法案成立が持続可能な水産業に向けた大きな第一歩であると同時に、改革の実施こそが重要であると考えます。今後、水産庁によって省令が制定され、いよいよ新しい漁業制度が導入される段階に入ります。実施段階を迎えるにあたり、EDFでは、改革がより充実したものとなるよう、特に、産業の持続可能性を担保できるような支援策の構築、資源管理方針への水産関係者の方々の意見の反映、漁業のモニタリングやアカウンタビリティの改善等において、支援を続けていきます。

# # #

EDFは、環境課題に対する解決策を推進する非営利団体です。地域社会や市民団体、学術関係者、および政府関係者に対し、技術的助言や知見の共有、協力支援を通じた活動を行っています。