第7回太平洋中海域トラフグ研究会を開催

 平成29年11月29〜30日に名古屋市において第7回太平洋中海域トラフグ研究会を開催しました。本研究会は、太平洋中海域のトラフグを対象とした生態、海洋環境、増殖、資源、漁家経営、遺伝子など様々な分野からの研究開発を通して、当該海域のトラフグ漁業および関連産業を発展させることを目的としています。

 今回は千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県ならびに三重県の水産試験研究機関、栽培漁業センター、水産関係団体、大学等からの参加者に加え、静岡県、愛知県、三重県でふぐはえ縄漁業を営まれている漁業者にも初めてご参加をいただきました。

 研究会第一日目には、東海3県におけるトラフグ漁業の現状と将来に向けた展望や、ふぐはえ縄漁業の所得最大化や価格形成に関する研究発表がありました。また、国際的な非営利環境保護団体であるEnvironmental Defense Fundの日本代表を務められる大塚和彦様からは、米国における漁業者参加型の水産資源回復の取組みに関するご講演をいただきました。これらの発表の後、太平洋中海域のトラフグを対象とした儲かる漁業・持続可能な漁業を達成するための課題について、漁業者の意見を聞きながら活発な議論を交わしました。東海3県の漁業者がトラフグ漁業の持続的・安定的な経営という同じ目標に向けて、足並みを揃えて取組みを前進させていくという方針の一致が確認できたことは大きな成果と言えます。

 研究会第二日目には、東京湾や瀬戸内海におけるトラフグの生態や漁獲実態の研究報告、種苗生産の現場からの現状と課題の報告の他、平成26年に発足したトラフグ資源管理検討会議の取組みや、交雑フグが有する毒性に関する研究等、多岐に渡るトピックの話題提供をいただきました。

 本研究会は今後も最新の研究情報を県や職務の垣根を越えて共有し、新たな研究や取組みを創出する場としての役割を全うして参ります。

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研究会の様子1
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研究会の様子2

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